僕は時よりとして明円寺以外のお寺さまに出向きご法話をさせていただくことがあります。県内か愛知県がほとんどなのですが、今月はめずらしく富山県と大阪にご縁がありました。
しかも富山、大阪共に本願寺の別院さまで、富山は本願寺富山別院さま、大阪は本願寺堺別院さまでした。
今回堺別院さんで法話中に、富山でみた富山特有のお地蔵さま(五劫思惟の法蔵菩薩さま)をホワイトボートに描いたことが今回の出来事の発端で、この法話の後五時間後にはその落書きがTシャツ化していたのです。
私は富山でみた法蔵菩薩さまに心底感動をしました。私はこの法蔵菩薩さまを知っていただきたく、事の経緯をここに記します。
法話中のらくがき
(サリーさん撮影)
今回のご縁を知って堺別院までかけつけてくださった法友が撮ってくださいました。意気揚々と緊張感を隠して話てる様子がわかります。
この冒頭の挨拶中、私はすでに法蔵菩薩をホワイトボートに描く事を心に決めていました。
(メグルさん撮影)
こちらです。不気味な身体に奇妙な格好をしています。
そして、
こうなりました。
そして、ここに販売されるまでになんと五時間!
ゴコウシユイくんTシャツ〜五劫思惟法蔵菩薩〜
立派に販売されております。早速どなたかが三着買ってくださいました。私も息子に一着買いました。アッシュカラーにゴコウシユイくんです、ちょっとおしゃれカラー。
ちなみに私には一円も入ってこない設定になっています。
実物の法蔵菩薩像
いやーあっという間の事の展開に気持ちが追い付かず、あっけにとられておりました。SNSってほんとにすごいなぁというのと、ノリと勢い、行動力ってほんと大事だと思い知られました。
とはいえ、こう見えまして私自身としてはホワイトボードに描く際は本気で生々しさを表現しようと真剣で描いたつもりだったのです。
結果ポップでゆるい感じになりましたが、まあまあ実物に遠くはありませんよね。なんつって。
私が実際に拝見したのはこちらです。富山県富山市上滝。立山の麓にある親鸞聖人ご分骨霊場から富山別院に戻る途中でございました。
Twitterで知り合ったGYO-GENさんに無理言って連れて行っていただいたのです。
その帰り道に、急に車を路肩にとめられて「ちょっといいもの見せてあげます」と車を降りました。
場所はここです。何の変哲もない村の一角。近隣の方ぜひぜひご近所さんに迷惑にならないようにいってみてください。驚愕しますよ。私ははじめ、ただのお地蔵さんにしか見えなかったのですから。
(いやいや、お地蔵さんなんか三重にもよくありますよ)と心の中でつぶやいていると、異様なものが目にはいりました。
何かは、よくわかりませんでした。ただ異様な物体にゾッとして私は鳥肌が立っています。
「わかりませんか?」とギョーゲンさん「あっ」と思った瞬間私の心は感動に満ち溢れたのです。
法蔵菩薩の由来
ご覧の通り、すごくやせ細り困った顔をしています。よほど難解な問題を抱えているに違いありません。一向に解決する術が見当たらないのでしょう。
それもそのはず、法蔵菩薩さまは一切のいのちを救おうを願われたのですから。過去のいのちも、今生きるもののいのちも、未来に生まれるいのちも。
そして、どのいのちに対しても苦しみが手に取るようにわかったそうです。あのいのちもこのいのちもそれぞれに胸の奥にしまいこんである苦しみがこの菩薩さまにはわかりました。
その者みな仏にさせたいと、思い立ち誰ひとりとりこぼさないからと他のいのちの解決に励み悩まれているのです。
それが五劫かかったと言われました。一劫ってとにかく長いです、古代インドから使われる長さで宇宙が生まれて終わる時間と言われています。それが五回分。
浄土真宗の宗祖親鸞聖人は「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり」と普段からいつも感動讃嘆されていたそうです。その親鸞さまのお言葉は僕自身も法話で紹介することがありましたが、今回実際に悩まれている法蔵菩薩を目の前にして、「あぁわたしのためにここまでご苦労てくださったんだ」と初めてわが事に実感をしました。
富山は真宗王国と言われていて、浄土真宗がほんとに盛んです。なのでお地蔵さんを作った際に浄土真宗の教えに合うように法蔵菩薩さまがつくられたんじゃないかとギョーゲンさんに教えてもらいました。富山県にはこのような菩薩が100体ほどあると言われています。
それを絵にするとああいう風になってしまったということです苦笑
ということで長くなりましたが、なんでも悩みを知ってくださる菩薩さまなので塗り絵なんぞしながら聞いてもらえばいいんじゃないかと思いました。
すると塗り絵どころかいろんな方がいろんなアレンジをしてくださいました。
これを機に阿弥陀さまのおいわれをを知っていただければと思いました。
塗り絵してもらって悩み事書いてもらったり、参拝印のデザインにしてもいいかなぁとかいろいろ夢が広がるのでした。
阿弥陀さまを知っていただき、南無阿弥陀仏と参ってくださるご縁が増えますように。
ではまた仏前で会いましょう。
なもあみだぶつ
弥陀肥満・憔悴は江戸期に議論がありますかが、憔悴説に依拠してるんでしょうね。
返信削除詳細は井上見淳先生の論考があります。
削除そんな論争が!?気になります。
どちらも味わい深いですけどね。
そんな論争が!?気になります。
返信削除どちらも味わい深いですけどね。