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Qお墓や遺骨はどうすればいい?その①実際ご門徒に聞かれたことについて少し考えてみました。

2021年2月25日木曜日

みんなの仏事相談室

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こんにちは。浄土真宗本願寺派明円寺若院の橋本ケント(@hashikento99)と申します。このブログは私が住職になるまでを綴る期間限定ブログです。

いままでに家族のお墓や自分のお骨の行き先について考えた方がありますか。近年ご門徒さんと話す内容にとても多いひとつがお墓についてです。

今回はそのうちのひとつをご紹介して少し考えてみたいと思います。ぜひお付き合いください。

匿名70代女性
うちにはお墓がありません。家族の誰かが亡くなればお墓を立てないといけませんか。その前に納骨ってすべきでしょうか。そもそもご遺骨って引き取らないことってできたりするんですか?

こんな風に聞かれることがよくあります。ご主人が長男さんでない、いわゆる新屋さんで分家のご家族あるあるの相談事です。

明円寺がある三重県四日市市には墓地や霊園がそこかしこにたくさんあります。市が運営する広い敷地の墓地、民間が運営する山を開いた墓地、村が運営する町内民専用墓地、寺院内墓地。

ひと昔ならば「そうですね、お墓を建ててください」で済んだ話なのですが、令和時代なかなかそうはいきません。

お墓の負担

一般的な墓石を建てるのに平均120万円くらいするそうです。使用料と墓石代で込みでそれくらいだそうで。年間管理費は別ですだいたい4000円くらいでしょうかね。で毎回の花代一対1000円くらいでしょうか。(私調べ)

村にある墓地を見ると真新しい花が多く見受けられます。聞くところによると夏場は三日に一回変えてらっしゃる方もいらっしゃって頭が下がります。

それがもはや日課になっていてご本人にとっては当たり前だそうですが、それにしてもすごいです真似できません。

ところが、別の方に話を聞くと「周りの目が気になるから頻繁に変えている」という方もいらっしゃいました。

「あそこの奥さんのお墓、お花が枯れてるわねぇ」「もはや造花らしいわよ」と陰口を言われたり言われなかったり汗

ですが、実際それだけの数のお花をお供えしていたら花代がすごいことになりますよね。

私としてはともかくもお墓にお参りする縁が途切れずに増えれば増えるほど良いことだなぁと思っています。

負担や無理のないようにお墓参りを継続できるのであれば極論を言えば造花でもOKだと思っています。

造花じゃお参りすることなくなるのかな・・・。

一般的なお墓はお花を一対供えるところがありますが、最近ではいろんなデザインがあってお花を一本のみのデザインもあったりします。おすすめです。

納骨の種類

縄文時代の埋葬は村民たちのご遺体をひとつにまとめて同じところ埋めたそうです。そこが村の中心だそうで、埋葬した場所の周りにそれぞれの家を建てた。

そういう形跡があるとか。そうしていつも死者と共に暮らしがありました。それが弥生時代になり村の外側に遺体を埋められるようになり墓地になっていったのです。

明治時代までは土葬が多かったそうです。滋賀県の山の方ではご遺体を埋めたところに榊を植えて目印にするくらいでお墓自体もなかったりする地域もありました。

別の地方では、お墓文化が栄えていて一人一墓石あったりします。家族が多いご家庭のなんかはいくつものお墓が連なってあったそうで、今でも毎年そこへお墓参りしているというご門徒さんのお話しもよく聞きます

明治時代に入り、日本は火葬文化になりました。今でも土葬される方がごくまれにいらっしゃるそうですが、99%が火葬です。

となると、土葬と違い扱い方が変わってきます。田舎の方はそのまま墓石タイプが今も根強いです。一方都会になる徐々に納骨堂が普及していきます。

妻の実家、大阪市ある久覚寺では前住職が30年前に本堂を建て替えた際3階に納骨堂を設置したところ徐々に需要が増え、今も問い合わせが多いです。

大阪ではこんな言葉をよく聞きます「もうすぐわしも一心寺やわ」

一心寺とは大阪市天王寺区ある浄土宗のお寺さまで納骨といえば一心寺さん。

ここはとにかく費用が安い、1~3万円で納骨ができます。そして一番の特徴が10年分預かったお骨で仏像を作ります。

明治時代から平成28年までに8体のお骨仏さまが造立されていて、8体目は22万体のご遺骨で仕上がっています。


ところがこのホームページにもあるように受け入れを制限されました。墓じまいや改装によるご遺骨や全骨納骨の増加による一心寺側の管理の限界だとか。

受け入れ停止ではなく、小さい骨壺に制限をして受け付けるそうで改葬や大きい骨壺での納骨は受け付けられなくなったということです。

それほど安価で簡単便利で楽な納骨が現代人に利用されているということが多くなったということでしょうか。

合葬墓のメリット

四日市の方はどうかというと、合葬墓が増えてきました。墓じまいをされる方やお墓を作る余裕のない方が使われます。ここにはメリットが沢山あって、

「いつでも誰かがお参りをしてくれていて、いつでもお花が新しい」

お参りができなくなっても安心される要素だとか。

大阪の久覚寺の納骨堂にも合葬壇があり、同じような理由でとても人気です。

そして、お寺の本堂内に納骨段を設定されているお寺さまもあります。

お手次のお寺自体が当家のお墓とお仏壇のかわりになっていつもお寺さまが手を合わせてくださる。

そういう安心感と、お寺で法事をするさいに故人のご遺骨がそこにあることでより気持ちがはいりやすかったりする。そういうメリットがあります。

現実的な納骨手段は以上になります。

他にもこんな納骨方法が

よく聞くのが散骨です。海にご遺骨をまく埋葬方法ですが、これは自治体によってルールが厳しかったりします。環境汚染の観点から海外ではハワイなどはもっと厳しいです。さらに船やガイドさんのチャーターにより費用がかなりかかります。

なにより、散骨以降その故人に対して手を合わせたいと思った時にそれができません。たとえご遺族がみな散骨に納得や同意をその時はしていても、手を合わせたいと思う気持ちは突然にやってきます。

故人のご遺骨がないといざその時手を合わす場所がないのです。なので私としてはなかなかオススメはできる埋葬方法ではありません。

数年前に義母がインドのガンジス川に行った際、義父のご遺骨を散骨しました。写真だけ拝見しましたがとても神秘的な思いになりました。ちなみにそのご遺骨は分骨でした。

他には樹木葬やバルーン葬(宇宙に散骨)や花火葬(打ち上げ花火に練りこむ)など変わった方法もあります。

他にもたくさんあります。手元供養やペンダントや指輪などアクセサリーに埋め込む方法、これはご門徒に実際に見せてもらいました。いつだって肌身離さずつけていらっしゃって愛する故人と一緒でした。

あととある葬儀屋さんが花屋さんとコラボして故人の遺骨を肥料に、花をさかせる。鉢供養?そんなトンデモ埋葬方法もみたこともあります。

とまぁいろいろご紹介しましたが、選択肢がすごく沢山あるということをお伝えしたかったです。

令和になり家族の生活環境がかわりましたが、故人を大切にしたいという気持ちは変わりません。その形が変わっていくのが時代、そして変わらないものがあるということお伝えいたします。

納骨しないは最終手段

納骨は必ずしなくてはならないということではありません。火葬場で全骨を引き取ってくださる自治体もあります。

東京はルール上無理だそうですが自治体によって違うそうです。四日市市の場合全骨引き取ってくだり、そのご遺骨は市の共同墓地に埋葬されます。(令和3年2月現在)

実際うちのご門徒にあった話で具体的な話はできませんが、家族内でもめごとがありご遺族は「絶対に引き取りたくない」というご意向でした。

なので、「納骨しない」「引き取らない」は余程の事情で最終手段かと思います。

全く面識のない遠い親戚のおじさんのお骨を・・とかとかです。

そもそもなぜ納骨をするのか

とあるお方にお聞きしました。人間だけなんだそうです、他の動物と違って。

何がかと申しますと。

「遺体を埋葬しその者の死を悼み儀式をする」

そういえば、小さい子どもですら金魚やカブトムシがなくなったら埋葬して手を合わせますよね。

死を悲しむ動物はいます、象やゴリラや犬もそうですが、埋葬や合掌お経を読んだりしません。

死者と共に生きるのは人間だけの営みかもしれません。

じっくり考えて話し合っていただいて、納骨する方向にお気持ちが傾いてくださればさいわいです。

明円寺ではどうするか

ちなみに明円寺としては、明円寺内に墓地がありますが合葬墓ありません。

お墓を作ることがでないお宅に関しては京都の大谷本廟に明円寺所有の納骨堂がありますので今のところそこをすすめています。

明円寺若院
今後お墓の相談は増えると思います。京都に納骨堂があるといっても四日市から離れているので、いま住職や門徒さんとも合葬墓や本堂の納骨段などを検討中です。
またご相談くだされば、経過報告させていただきます。

もちろんこちらでも。

長々と失礼しました。また第二弾でお墓についてお話します。

それではまた仏前で会いましょう。

南無阿弥陀仏










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